はじめに
まさか自分が、家を3回も建てることになるなんて…
世間では「家は3回建てないと理想の家にならない」とよく言われますが、最初から3回建てるつもりで家づくりを始める人はいないはずです。私もその一人であり、まさか自分が人生で3軒も家を建てることになるとは思っていませんでした。
子どもが大きくなってきたことをきっかけに賃貸から一戸建てへ移り、そこで長く暮らすつもりでした。しかし、予期せぬトラブルによる建て替えなど、さまざまな出来事が重なって現在の3軒目に至っています。
私は住宅の専門家でも建築士でもありません。ただ家を3回建て、実際にそこで暮らしてきた一人の施主です。この経験を通じて、家に対する考え方や住宅会社選びの基準が私の中でどう変わっていったのか。まずはその遍歴からお話しします。
1軒目:「エアコン1台で家じゅう暖かい」が私の基準になった日
廊下もトイレも寒くない。大工さんも驚いた高気密高断熱の威力
1軒目の家づくりでは、土屋ホーム、北洲ハウジング、スウェーデンハウスなどの住宅会社を比較検討しました。当時の私は「外断熱」という言葉に強く惹かれており、最終的に高気密高断熱を強みとする住宅会社と契約しました。
引き渡し前のC値は0.4という数値で、実際の暮らしは家庭用エアコン1台を弱めに24時間運転するだけで快適そのものでした。広いLDKだけでなく、廊下や脱衣所、トイレに至るまで寒さをほとんど感じなかったことに深く感動したのを覚えています。
冬の施工中、現場の大工さんから「冬の作業でも寒くないから助かるよ」と言われたことは今でも印象に残っています。私はこの1軒目の家で、「家の性能によってこんなにも暮らしが変わるのか」という事実を肌で実感しました。

突然の大量の羽アリ。性能だけでは家を守れないという痛感
しかし、その快適な暮らしの中で思いがけない事態が起きました。ある日、和室で大量の羽アリを発見したのです。専門業者の調査の結果、ヤマトシロアリの被害が確認されました。
基礎断熱材と基礎コンクリートの間には蟻道ができており、被害状況を確認するために外壁を剥がし、2階の桁まで調査が及ぶ大がかりな事態になりました。住宅会社の対応自体は誠実で良かったものの、目の前で壁が剥がされていく光景はやはりショックでした。
誤解のないように言っておきますが、基礎断熱がシロアリ被害の直接の原因だったとか、施工不良だったと断定するつもりはありません。ただ私にとってこの経験は、「どんなに性能が良くても、それだけで安心して暮らし続けられるわけではない」と痛感する出来事になりました。
2軒目:失って初めて気づいた「前の家の快適さ」
夏はモアっと暑く、冬の脱衣所にはヒーターが必要な暮らし
シロアリ被害の経験を経て、私たちは建て替えを決断しました。2017年11月に入居した2軒目は、1軒目とはまったく違う仕様を選び、冷暖房も全館を暖める考え方ではなく各居室を中心に効かせるスタイルになりました。
そこで私は、以前の家との違いに直面します。冬の脱衣所はやはり寒く、入浴時にはセラミックヒーターが欠かせませんでした。夏場も、外出中にエアコンを止めていると、午後に帰宅して2階へ上がった瞬間に「モアっと暑い」と感じることが増えました。

決して2軒目が悪い家だったという話ではありません。ただ、「1軒目で知ってしまった家全体の暖かさや涼しさが、いつの間にか自分の家選びの絶対的な基準になっていた」ことに、私はこの家で暮らして初めて気づかされました。
3軒目:一条、積水、ダイワ、桧家……そして「全部一番」を探すのをやめた
各社を比較して分かった、住宅会社ごとの「得意・不得意」
3軒目の家づくりでは、これまでの経験を踏まえて様々な住宅会社を見て回りました。一条工務店の圧倒的な住宅性能、積水ハウスの洗練されたデザイン、ダイワハウスの建売住宅の価格、そして桧家住宅の性能と価格のバランスやZ空調など、各社それぞれに違う魅力がありました。
この比較を通じて、私は一つの結論にたどり着きました。それは「すべてにおいて一番の住宅会社は存在しない」ということです。どこを選んでも一長一短があり、施主自身が何を最も優先するのかを決断するしかありません。
私が最終的に「桧家住宅」を選んだ譲れない4つの条件

3回目となる家づくりで私が絶対に譲れなかったのは、「冬の暖かさ」「住宅会社としての安心感」「施工実績」、そして「価格」でした。過去の経験から、性能だけでも、デザインだけでも、価格だけでも安心した暮らしは手に入らないと分かっていたからです。
これらを総合的に判断し、私は桧家住宅を選択しました。2020年12月に入居した現在の家は、引き渡し前の実測でC値0.7(当時の資料でUA値0.55)という性能です。全館空調のZ空調を採用し、夏はおおむね25℃前後、冬は23℃前後を目安に24時間稼働させて暮らしています。
Z空調は完璧ではない。それでも今の暮らしに満足している理由

ただし、Z空調を入れたからといって家じゅうが完全に同じ温度になるわけではありません。たとえば西日の強い部屋では、他の部屋が25℃程度に保たれていても27℃程度まで上がることがあります。
桧家住宅の家がすべてにおいて完璧だと言うつもりはありません。それでも、1軒目のような家全体の暖かさを取り戻し、かつ納得のいく予算と安心感で建てられた今の暮らしに、私はとても満足しています。
3回建てた今でも「家づくりの正解」が分かったわけではない
これまでに家を3回建ててきましたが、「誰にとっても完璧な家」や「誰にとっても一番の住宅会社」が見つかったわけではありません。むしろ3回建てたからこそ、住宅会社には明確な得意・不得意があり、住む人が何を優先するかがすべてだと考えるようになりました。
私自身の住宅会社選びの基準も、1軒目、2軒目、3軒目で大きく変化しています。今の私なら、住宅の性能数値は重視しますが、数値が一番いい会社を無条件で選ぶようなことはしません。性能とそれ以外の要素のバランスをシビアに見るようになりました。
だから私は「家づくりNOTE」で、成功も失敗もすべて包み隠さず書く
これから家を建てる方にとって、住宅会社の広告や性能数値は魅力的に見えると思います。しかし、それだけでは実際に暮らしてみたあとのリアルな空気感や、トラブルが起きたときの現実は分かりません。
だからこそ私は、この「家づくりNOTEブログ」で自身の経験をそのまま発信しています。
ここで語るのは「こうするべき」という正解の押し付けではありません。「私はこうだった。だから今ならこう考える」という、施主としての泥臭い判断材料です。1軒目のシロアリ被害の詳細や、3軒目でのリアルな空調事情など、これからの記事が皆さんの後悔しない家づくりのヒントになれば嬉しく思います。





















