1軒目はC値0.4。初めて高気密高断熱の家に住んでみた冬の記憶
子どもが大きくなってきたことをきっかけに、それまで住んでいた賃貸住宅を出て一戸建てを建てることにしました。 これが、のちに3回も家を建てることになる私「kiyo」の、初めての家づくりです。
▶ 家を3回建てた私の家づくり遍歴
寒いアパートから引っ越して、最初の冬に驚きました
高気密高断熱の家を建てたとはいっても、入居するまでは実際にどのくらい暖かいのか分かりませんでした。住宅会社から性能の説明を聞き、C値も測っていましたが、数字と実際の暮らしは別のものです。
ところが冬になってみると、まずLDKの暖かさに驚きました。
1軒目は約40坪あり、LDKも決して小さくありません。それなのに、暖房に使っていたのはLDKの中心付近に設置した普通の家庭用エアコン1台です。
それを24時間、弱めに運転していました。
特別な大型空調でもなければ、各部屋に暖房を入れていたわけでもありません。それでも真冬に広いLDKが十分暖かいことには、本当に驚きました。
それまで寒いアパートで暮らしていたので、一戸建てになれば家も広くなり、もっと暖房が必要になるくらいに思っていました。実際に住んでみると、そのイメージとはまったく違ったんです。
「家庭用のエアコン1台で、こんなに広いLDKが暖かくなるのか」――これが、1軒目で冬を迎えたときの一番強い印象でした。

リビングだけではなく、廊下や脱衣所まで寒くありませんでした
さらに驚いたのは、暖かかったのがLDKだけではなかったことです。
廊下へ出ても、それまで住んでいたアパートのように急に寒く感じることがありませんでした。脱衣所やトイレも同じで、家の中を移動しても「ここは寒いな」と感じる場所がほとんどありませんでした。
もちろん、LDKとすべての場所が同じ温度だったという意味ではありません。当時は各場所の温度を細かく測定していたわけでもないので、これは実際に暮らしていた私の体感です。
でも、この違いは大きかったです。
アパートに住んでいたころは、暖房している部屋だけが暖かく、そこから出れば寒いのが当たり前でした。1軒目に住んで初めて、家全体が暖かいという感覚を知りました。
私にとって1軒目は、「暖かい部屋」ではなく「家そのものが暖かい」と感じた初めての家でした。
これはカタログの性能表を見ているだけでは分からなかったと思います。実際に冬を過ごしたからこそ分かった、高気密高断熱住宅の良さでした。
建築中、大工さんも「この家は寒くない」と言っていました
1軒目の暖かさについて、今でもよく覚えている出来事があります。
建築中、大工さんから「この家は冬に作業していても寒くないから助かる」と言われたことです。
まだ私たちが暮らし始める前のことなので、そのときは「そんなに違うものなのかな」と思っていました。でも、完成した家で実際に冬を過ごしてみると、その言葉の意味がよく分かりました。
施工している大工さんも寒さの違いを感じていて、住み始めた私も同じように暖かさを感じた。このことは今振り返っても、とても印象に残っています。
大工さんの言葉と自分が住んでみた感覚が一致して、「この家は本当に性能がいいんだ」と実感しました。

C値0.4だったことは、私にとってただの数字ではありません
1軒目のC値は、引き渡し時に測定して0.4でした。
C値は家の気密性を見るための数字で、数値が小さいほど隙間が少ないことを表します。私は、1軒目が冬でも暖かかった大きな理由の一つが、この高い気密性だったと思っています。
もちろん、暖かさを決めるのはC値だけではありません。
1軒目の窓はYKKの遮熱Low-Eペアガラスで、樹脂サッシを使っていました。断熱性能や窓の性能も関係していたと思います。
それでも私は、「C値は数字にすぎないから、あまり気にしなくていい」とは思いません。
実際にC値0.4の家に住み、普通の家庭用エアコン1台で広いLDKが暖かく、廊下や脱衣所でも寒さをあまり感じなかったからです。
1軒目で確認できている主な仕様
| 項目 | 1軒目 |
|---|---|
| 建築時期 | 2010年10月 |
| 建築地 | 栃木県鹿沼市 |
| 延床面積 | 約40坪 |
| C値 | 0.4 |
| C値測定 | 引き渡し時 |
| 基礎 | 布基礎 |
| 基礎断熱 | スタイロフォーム10cm |
| 屋根 | 屋根断熱 |
| 窓 | YKK・遮熱Low-Eペアガラス |
| サッシ | 樹脂サッシ |
| 冬の暖房 | LDKの家庭用エアコン1台 |
| 使い方 | 24時間・弱運転 |
壁や屋根の細かな断熱仕様については、現在確認できていない部分があります。また、古い話なので1軒目のUA値も具体的な数字は覚えていません。
ただ、C値0.4だったことと、その家で冬の暖かさにかなり満足していたことは、私自身が経験したことです。
私にとってC値0.4は、気密性のある住宅だとエアコン1台でこんなに快適なんだと実感しました。

この家に住んで「性能は本当に大事だ」と思うようになりました
1軒目を建てる前から、私は外断熱や高気密高断熱に興味があり、住宅性能を意識して住宅会社を選んでいました。
ただ、そのころはまだ「性能が良い家のほうが暖かそうだ」という知識の部分も大きかったと思います。
それが、実際に住んで変わりました。
寒かったアパートから引っ越し、普通の家庭用エアコン1台で広いLDKが暖かい。廊下や脱衣所へ行っても寒さを強く感じない。建築中には、大工さんからも「冬でも寒くないから助かる」と言われました。
こうした経験をして、住宅性能は、毎日の暮らしそのものにつながっていると感じるようになりました。
間取りも大切ですし、デザインや設備、価格も大切です。でも私は、家そのものの基本性能はそれらと同じくらい重要だと思っています。
気密性や断熱性は、建てたあとで簡単に変えられるものではありません。そして冬は毎年やってきます。
1軒目に住んだことで、「家を選ぶなら、見た目だけではなく見えない性能までしっかり見なければいけない」と強く感じました。
これは、3回家を建てた今でも変わっていません。
理想の我が家に迫る、思いもよらない影
当時は、新築の暖かさに満足していて、自分がまさかこのあと人生で3回も家を建てるなんて夢にも思っていませんでした。この暖かい家で、ずっと暮らしていくのだと信じて疑わなかったのです。
しかし、完璧そのものに見えたこの1軒目の家で、のちに家づくりの根底を揺るがすような「恐ろしい事態」が静かに進行していたことなど、知る由もありませんでした。
さらには、その後に建てた2軒目の家で、脱衣所のあの苦しい冬の寒さに再び悩まされることになるということも——。
1軒目で味わった最高の暖かさと、その裏で密かに待っていた思いもよらない落とし穴。
「完璧な高気密高断熱住宅」を手に入れたはずの我が家に一体何が起きたのか。そしてなぜ私は家を3回も建てることになったのか。その衝撃の真相と、2軒目で直面した現実については、次の記事で詳しくお話ししたいと思います。





















