家を建てて、まだ5年ほどしか経っていませんでした。
冬は暖かく、住み心地にも満足していた1軒目。まさかその家を、シロアリ被害で建て替えることになるとは思ってもいませんでした。
きっかけは、ゴールデンウィーク頃に1階の和室で見つけた大量の羽アリです。ネットで調べて住宅会社へ連絡すると、翌日には調査に来てもらえました。
でも、そのときの私は、まだ事の大きさを分かっていませんでした。
調査が進むにつれて、被害は想像していたよりずっと深刻だと分かっていきました。和室の床下だけではありません。基礎断熱材と基礎コンクリートの間を調べ、さらに外壁をはがして確認すると、最終的には2階の桁にまで被害が及んでいました。
正直、あの頃を思い出すと、家の被害そのもの以上に、「この先どうなるんだろう」という不安の方を強く覚えています。
住宅ローンはまだ残っている。
建てたばかりだと思っていた家が、たった5年ほどでこんなことになる。
その現実を、すぐには受け止めきれませんでした。
【内部リンク:KN003「GWに和室で大量の羽アリ。1軒目でシロアリが見つかった日のこと」】
和室の床下を調べると、基礎のところに蟻道が見つかりました
羽アリを発見して住宅会社へ連絡すると、翌日には調査に来てくれました。
最初に詳しく調べたのは、羽アリが出ていた1階南側の和室周辺です。和室の床下も確認し、さらに基礎部分を調べていきました。
我が家の1軒目は基礎断熱で、基礎部分にはスタイロフォームが使われていました。そこで確認されたのが、基礎断熱材と基礎コンクリートの間にできていた蟻道です。
羽アリを見た時点で、シロアリがいること自体は覚悟していました。
でも、実際に家の中へ入り込んだ痕跡を見せられると、ショックは別でした。
「どこまで入っているんだろう」
「和室だけで済むんだろうか」
そんな不安が、ここから一気に大きくなっていきました。
私にとってつらかったのは、調べるほど被害の範囲が広がっていったことです。
羽アリが出た場所だけの話では終わりませんでした。

外壁まで剥がし、調査は2階へ広がっていきました
調査は床下だけでは終わりませんでした。
被害範囲を確認するために外壁もはがし、建物の内部まで調べていくことになりました。そして最終的には、2階の桁にまで被害が及んでいることが確認されました。
あのときは、本当に言葉がありませんでした。
建築して何十年も経った古い家ではありません。まだ5年ほどです。
冬の暖かさには満足していましたし、高気密高断熱の家を建てて良かったと思っていた家です。その家の外壁をはがし、内部を調べなければならない状況になっている。
「たった5年で、どうしてこんなことになってしまったんだろう」
戸惑いもありましたし、それ以上に失望が大きかったと思います。
その頃は基礎断熱を採用している住宅も少なく、十分な検証がされていなかったのかもしれません。今のようにホウ酸入りの断熱材もありませんでした。
そもそも、基礎断熱そのものが悪いのか、特定の工法すべてに問題があるとは私は思いません。
ただ、この記事で伝えたいのは、羽アリを見つけたあと、きちんと調べてみたら想像以上の範囲まで被害が進んでいたという事実です。

一番怖かったのは、住宅ローンが残っているのにこの先どうなるのか、ということでした
家の被害が分かるにつれて、頭から離れなくなったのが住宅ローンのことでした。
まだかなり先まで返していかなければならない家です。その家が大きなシロアリ被害を受けている。
「これは保証されるのか」
「もし保証されなかったらどうなるのか」
「住めなくなったら、自分たちはどうすればいいのか」
先が見えませんでした。
保証対象だと分かるまで、私の記憶では約3か月かかっています。建て替えの話になるまでも、2〜3か月ほどかかりました。
住宅会社としても簡単には結論を出せなかったのだろうと思えます。
でも、当時の私はそんなふうには受け止められませんでした。
毎日暮らしている家の調査が続いているのに、最終的にどうなるのか分からない。しかも住宅ローンは残っている。
この状態は、精神的にかなりきつかったです。
眠れない夜もありました。
気持ちを紛らわせたくて、アルコールに逃げてしまう日もありました。
今振り返っても、あの時期はかなりつらかったと思います。
一番しんどかったのは、家の被害そのものより、「これからの生活がどうなるか分からない不安」でした。
家を失うかもしれない、でもローンは残るかもしれない。その不安がずっと頭にありました。

それでも、住宅会社は逃げずに向き合ってくれました
ここまで読むと、1軒目を建てた住宅会社に対して、私が強い不満だけを持っているように見えるかもしれません。
でも、実際はそうではありません。
シロアリ被害そのものは本当にショックでした。
それでも、その後の対応には今でも感謝しています。
連絡した翌日には調査に来てくれました。さらに、私の記憶では京都大学の生物学の教授による調査も行われました。
そして我が家だけの問題で終わらせず、同じ工法の家について全棟検査も進めていたと聞いています。
ここは、当時の私にとってかなり大きかったです。
もし住宅会社が責任から逃げるような姿勢だったら、私はもっと追い詰められていたと思います。
もちろん、調査から結論が出るまでには時間がかかりました。
「早くはっきりしてほしい」と思ったこともありました。
それでも、放置されたわけではなかった。
そこは、今でも強く印象に残っています。

建て替えだけでなく、仮住まいや貸倉庫まで手配してくれました
建て替えとなれば、当然その家には住めません。
家財道具もあります。
住宅会社は、建て替えが終わるまで生活できる近隣の戸建て住宅を仮住まいとして手配してくれました。さらに、家財を保管するための貸倉庫も用意してくれました。
建て替え費用や仮住まいにかかる費用についても、私たちの自己負担はほとんどありませんでした。
あれだけ不安だった住宅ローンの問題も含め、建て替えという方向が決まったときには、本当にほっとしました。
もちろん、新しい家が建つからそれですべて良かった、という単純な話ではありません。
5年ほど暮らした家を取り壊すことには、やはり何とも言えない気持ちがありました。
それでも、住宅会社が最後まで対応してくれたことで、私は少しずつ前を向けるようになりました。
次に家を建てるなら、性能だけではなく「信頼できる会社」を選びたいと思いました
シロアリ被害を経験する前の私は、住宅会社を選ぶときに住宅性能をかなり重視していました。
もちろん、今でも性能は大切だと思っています。
でも、この経験をして、それだけでは足りないとも思うようになりました。
家は建てて終わりではありません。
何かが起きたときに、その会社がきちんと向き合ってくれるか。私はそこも大事だと感じています。
2軒目、3軒目の住宅会社選びでは、施工実績や会社としての信頼感を以前より意識するようになりました。
これは間違いなく、1軒目の経験があったからです。
3回家を建てた今、私は「性能のいい家かどうか」だけでなく、「何かあったときに信頼できる会社かどうか」まで見て選ぶことが大切だと思っています。
シロアリ被害にあったこと自体は、今でも残念です。
たった5年ほどで建て替えることになるとは、本当に思っていませんでした。
それでも、1軒目を建てた住宅会社に対する私の最後の気持ちは、恨みではありません。
今でも感謝しています。
時間はかかっても、逃げずに調査を続け、建て替えまで対応してくれた。
その経験があったからこそ、次に家を建てるなら、私は「性能」だけではなく「信頼できる会社かどうか」も重視したいと思うようになりました。

まとめ
1軒目のシロアリ被害では、和室の床下から調査が始まり、基礎断熱材と基礎コンクリートの間、さらに外壁の内部へと確認が進み、最終的には2階の桁にまで被害が及んでいることが分かりました。
たった5年ほどでここまでの事態になったことには、戸惑いも失望もありました。
住宅ローンが残っている中で、これからどうなるのか分からない不安は本当に大きかったです。
それでも、住宅会社は調査を続け、専門家にも確認を依頼し、全棟検査を行い、最終的には建て替え・仮住まい・貸倉庫の手配まで対応してくれました。
だから私は今でも、シロアリにやられたこと自体は残念でも、最後まで向き合ってくれたことには感謝しています。
そしてこの経験があったからこそ、今の私は、家づくりで大切なのは性能だけではなく、何かあったときに信頼できる住宅会社かどうかだと強く感じています。





















