2軒目の家に住んでいた夏、今でもよく覚えている感覚があります。
外出から帰ってきたのは、午後2時から4時くらい。2階へ上がると、「モアっと暑い」。
猛烈に暑くて部屋にいられない、という話ではありません。温度を測っていたわけでもないので、「何℃あった」は言えませんが30度近くはあったのだと思います。
このように、1軒目の家で暮らしていたときにはあまり意識しなかった、家の中の温度差をはっきり感じました。
2軒目は2017年に建てた約40坪の家で、パワービルド工法の標準仕様でした。
もちろん、私はパワービルド工法そのものが悪かったと言いたいわけではありません。
あくまで高気密住宅との比較という視点です。家そのものというより、私の中にすでに「比較する基準」ができていたことのほうが大きかったと思っています。
夏の午後、2階へ上がると「モアっと」した
2軒目では、1階に2台、2階に4台のエアコンを設置していました。
全館空調ではなく、必要な部屋をそれぞれのエアコンで冷暖房する、ごく一般的な空調方法です。
外出している間は、普段エアコンを切っていました。
そのため夏の午後、家に帰って2階へ上がると、空気がこもったような「モアっとした暑さ」を感じることがありました。

私が気になったのは、。1軒目では感じなかった家の中の温度差を、2軒目では強く意識するようになったことでした。
新築ですから、「新しい家なら家中どこでも快適だろう」と期待していた部分もあったのだと思います。
でも当然ですが実際には、冷房していない部屋は暑くなる。
考えてみれば当たり前のことなのですが、その「当たり前」を私は少し物足りなく感じていました。
もし1軒目を知らなければ、気にならなかったでしょう
なぜ、それほど気になったのか。
今振り返ると、理由はかなりはっきりしています。
私はすでに1軒目で、高気密高断熱住宅の快適さを知ってしまっていたからです。

1軒目はC値0.4でした。
全館空調の家ではありません。冬はLDKにある家庭用エアコン1台を24時間弱運転していただけです。
それでも廊下や脱衣所、トイレまで、私はほとんど寒いと感じませんでした。
初めてその家で冬を過ごしたときは、「家庭用エアコン1台で、こんなに家全体が暖かくなるのか」と驚いたほどです。
もちろん、これは冬の体験です。
1軒目と2軒目の夏を同じ条件で測定して比較したわけではありません。
それでも、一度「家の中を移動しても温度差をあまり感じない暮らし」を経験すると、それが自分の中の基準になっていきます。
だから2軒目で2階へ上がった瞬間の「モアっとした暑さ」が、余計に気になったのだと思います。
もし1軒目に住んでいなければ、
「夏の2階なんだから、このくらい暑いのは普通だろう」
と、そのまま受け入れていたかもしれません。
今振り返ると、かなりそう思います。
2軒目で感じたのは、「普通の家が悪い」ではなく「自分の基準が変わっていた」ということ
家の快適さは難しいものです。
高気密高断熱の家や、家全体を連続的に空調する暮らしを経験したことがなければ、部屋ごとにエアコンをつけて冷暖房する生活に、それほど不満を感じない人もいると思います。
私自身、1軒目を経験していなければそうだったかもしれません。
でも一度、家の中の温度差が少ない快適さを知ってしまうと、以前なら気にならなかったことが気になるようになります。
夏に帰宅したときの2階の暑さ。
冬の脱衣所の寒さ。
2軒目では、その両方を経験しました。

冬は脱衣所が寒く、最終的にはセラミックヒーターを置いて使っていました。
▶ 新築なのに脱衣所が寒い。2軒目で感じた冬の住み心地
夏と冬、季節は違いますが、私の中では同じ話です。
「必要な部屋だけ冷暖房する家」と、「家の中の温度差をできるだけ小さくする家」では、暮らしたときの感覚がかなり違う。
私は2軒目に住んで、それを改めて実感しました。
2軒目の経験があったから、私はもう一度「家全体の快適さ」を重視するようになりました
私は2軒目を失敗だったとは思っていません。
1軒目で大きなシロアリ被害を経験したため、2軒目では住宅性能だけを追いかけず、施工実績の多さなども重視して住宅会社を選びました。
その判断には、そのときなりの理由がありました。
▶ 建て替えた2軒目で、あえて1軒目と違う仕様を選んだ理由
ただ、実際に暮らしてみると、1軒目で経験した快適さを自分が思っていた以上に求めていることにも気づきました。
特に冬の寒さを経験したことで、3軒目ではもう一度、高気密高断熱や家全体の温度差を重視するようになりました。
そして現在は、桧家住宅のZ空調がある3軒目に住んでいます。
3軒建てたから分かるというより、違う考え方の家に実際に住んだからこそ、自分にとって何が大切なのかが分かったのだと思います。
2軒目の夏、2階に上がった瞬間のあの「モアっとした暑さ」。
決して大事件ではありません。
でも私にとっては、「一度知った快適さは、その後の家づくりの基準になる」ということを実感した、小さくても忘れられない経験でした。





















